平成28 年度環境委員活動中間報告
環境委員会 委員長 原田健治
平成28 年度 環境委員会活動方針 ISO14001:2015 環境マネージメントシステムに沿った活動にシフトしました。月次会議、環境関連プレゼンテーション、視察見学、廃棄物共同回収、機械・備品リユース活動、これらのツールは過去の実績を分析し、より一層、各社の利益創出と効率のよい活動を目指します。
環境委員会 月次会議 検討事項とその内容
月に1 回、団地会館2F 13:30 〜 14:30 環境委員会メンバー主体のワークショップを運営しております。
メンバー各位が所属する事業所それぞれに、環境方針、優先順位があり、大変多様性に富んでいます。
メンバー各位は可能な限り、共通と思われるテーマ、対処すべき問題等を持ち込み、共有化し議論します。
その対処方法が各社共通のテンプレートとなりうる場合、その方法論の構築にまで及び、メンバー各位はそのテンプレートを事業所に持ち帰り展開、これを効率化の源泉とします。 この1 年間の検討数は(a) 〜 (p) の16 項目とその内容を記述します。
検討項目
(a) 成果発表会の再考 |
|
---|---|
(b) 産業廃棄物処理業者・確認 |
|
(c) 小型家電リサイクル法 |
|
(d) フロン排出抑制法 |
|
(e) PCB 廃棄物 低濃度 |
|
(f) PCB 廃棄物 安定器 |
|
(g) PCB 廃棄物 高濃度 |
|
(h) 日経「環境経営度調査」 |
|
( i) 神奈川県 廃棄物交換システム |
|
( j ) 業者プレゼンテーションの打診 |
|
(k) リスクアセスメント(640 物質) |
|
(l) VOC(揮発性有機化合物)対策 |
|
(m) PCB 廃棄物 処理期限の確認 |
|
(n) イベント |
|
(o) 禁煙情報(労働安全衛生) |
|
(p) サプライチェーン排出量に関する環境省情報プラットフォーム |
|
「サプライチェーン排出量算定の考え方」より
産業廃棄物共同回収
決められた日に回収トラックが複数の事業所を最短ルートでまわり回収します。最少の移動距離によるCO2 削減効果を狙います。これは環境省 サプライチェーン排出量 スコープ3 カテゴリー5(輸送は任意算定対象)に位置するので、みなさんの参加を歓迎します。蛍光灯や電灯は移動中の破損・飛散防止の為、このような荷姿での排出をお願いしております。もちろん梱包材もリサイクルされます。
参加企業の環境ステーション(廃棄物置き場)は総意工夫であふれています。H社の廃棄電池ステーションは、そこにあるマニュアルを見れば誰でも短時間で安全正確に分別できます。これを他のM社でそのまま利用する、このような優れた運用テンプレートの横断的共用も進めています。また、再生工場の視察見学に訪れる事もあります。
環境委員会 視察見学のコンセプト
- 参加メンバーそれぞれの視点観点の多様性を尊重します。
- 他の参加メンバーの視点観点を勉強する事ができます。
- 視察が困難な施設、予約が困難な施設の見学を目指します。(それだけ視察する価値が高いと考えます)
- 視察後に視察先CSR レポート(アニュアルレポート)を読み、より理解を深める事ができます。
- 視察結果を文章・記録で残し、何らかの方法で視察先やパブリックに発信します。(外向きの成果発表)
平成28 年7 月25 日 かながわ環境整備センター、日産自動車 追浜工場 ゲストホールと非公開エリア
- 今回は普段では行けないところへ切り込んでる感があり、環境への団体や企業の取り組む姿勢に、はっとさせられました。とても勉強になった一日でした。
- スケジュール及び段取りも良く、とても勉強となる視察会でした。
- 2年前に日産自動車 追浜工場を見学。今回、いくつかの変化(進化)が分かりました、百聞は一見にしかず。
- 人物金を投資したハイエンドファクトリは勉強になります、何にどう気付くか、良い教材。
かながわ環境整備センター ジオラマを使った全体の説明、排水処理設備の説明。
平成 28 年 9 月 1 日 3M Japan( 原則非公開)、キリンビバレッジ
- 3M:
- 所長自ら行う会社及び製品の説明はとても熱かった。その製品は高度な科学技術が下地になりながらも生活の中にひそかに使用されていたり宇宙や医療など幅広い分野を支えているのがすごい。永い歴史のある企業は企業の理念がしっかりして、それが文化になっている。
- ランチ:
- とても充実していた。これだけでも参加した甲斐がある。
- キリンビバレッジ:
- 会社案内にたどたどしい所長あいさつのビデオなど訪問者の目線を意識した楽しい企画だ。また会社案内自体にストーリー性を持たせてアイデアてんこ盛り、ますます午後の紅茶のファンになった。紅茶を冷やしても濁らせない技術はすごい!
撮影が許された場所にて (事業所内ほぼ撮影禁止)
平成28 年10 月25 日 JESCO(高濃度PCB 処理施設)、ANA 機体整備工場
環境委員会は参加者の多様性を尊重するワークショップです。今回、参加者はそれぞれの観点、多様性(CSR、 エンジニアリング、5S、マナー等)から勉強しました。視察後、参加者から多様性に富んだコメントが寄せられ、 それらを報告書にまとめJESCO とANA に提出。それを受けたJESCO とANA のフィードバックコメントを 記述します。
平成28 年10 月25 日 視察見学 報告書 JESCO(高濃度PCB 処理施設)
トピックス | ||
---|---|---|
JESCO 岩本氏の丁寧なレクチャー PCB 油が処理後、公共下水道へ排出 |
安全対策が施されたラインの見学 各工程は専用窓から |
窓から見たイメージ 徹底的な安全管理がうかがえます |
- 参加者から寄せられた感想
- 処理の結果、PCB 油は分解されて炭酸ガスと水・食塩になり、概ね海水の1/3 程度の食塩濃度の水で公共下水 道に排出します。 → 技術力の高さに驚き、更に技術が進み処理速度向上を期待します。 ある時点で建物・機械を取り壊し、更地で返却。その後のPCB処理不可能 → ユーザは期限までに処分する必 要があると再認識しました。
- A 氏の感想
- 有害物資が作業者や環境に害を与えない様、適切に処理されている事がよく分かりました。特にGPS によって 運搬中のPCB の所在がリアルタイムで管理されているのには驚きました。また、見学ルートの整備、清掃状態 が良好で、積極的な情報公開が好印象でした。「臭いものにフタ」をするのではなく、適切に処理されていると いう事をアッピールする体制が安心・信頼に繋がると思います。いずれ工場はなくなるとの事でした、計画通 りに処理を進めていくうえで排出企業の協力も重要になるので、弊社も計画に沿って実施したいと思います。
- B 氏の感想
- 1968 年カネミ油症事件から、1974 年製造まで製造されていたトランスの処分が手付かずであった廃棄物(PCB) が処理できる技術力はとても素晴らしかった。処理の結果、PCB 油は分解されて炭酸ガスと水・食塩になり、 概ね海水の1/3 程度の食塩濃度の水で公共下水道に排出している事に驚きました。
- C 氏の感想
- 高度経済成長時代の落とし子とも指摘される、特定化学物質であるPCBについて、特性、毒性、使用の経過 など詳しく説明して頂き理解しました。国、製造者団体、使用企業も含め、過去30 年間のブランクを乗り越え、 法制化や処理技術が進んでいることに安堵しました。懸念材料として長年放置されていた機器、会社の倒産や 廃業など、全体の把握はとても難しいのではと感じました。処理施設の安全対策や方法も確立されており、職 員の安全に対する知識も大変高く、また自信を持って仕事をされている様子でした。開発した時代には、素晴 らしい素材であり、多用されたのは理解できます、完全処理迄には時間が必要と思いますが、次の世代に負の 遺産として残さないよう、私自身も理解した上で行動を起こしたいと考えております。
- (JESCO) 中間貯蔵・環境安全事業株式会社 東京PCB 処理事業所 総務課より
- お世話になります。この度は参加された皆様のご感想をお寄せ頂き、丁寧な見学報告書を頂戴致しまして有難 うございます。 誠に申し訳ありませんが、1 点、修正をお願いしたい箇所がございます。 「絶縁油が処理後、水になり海に放出!」 と言う表現につき、処理水の放出先は「公共下水道」になります。説明は、「処理の結果、PCB 油は分解されて 炭酸ガスと水・食塩になり、概ね海水の1/3 程度の食塩濃度の水で公共下水道に排出します。」という内容でし たが、海水との比較表現や食塩水であると言う説明の結果、排出先について「海へ」と誤解を与えてしまった ものと思います。ご説明の未熟をお詫びするとともに、お手数をお掛けして申し訳ありませんが、記載内容の 修正をお願い申し上げます。
全て匿名とさせて頂いた事を了承願います。
平成28 年10 月25 日 視察見学 報告書 ANA 機体工場
トピックス | |
---|---|
ファシリティーツアーガイドさんのプレゼンテーションの序章はここから |
365 日24 時間稼働でゴミなし臭気なしエンジン1 基20 億円前後とか |
作業中でもこの床の艶、 床のクラックの丁寧な補修、ドックの扉1枚は25 mプールと同じサイズとか |
|
ガムテープとそのホルダーの色が一致これなら戻す時に間違えません |
床に貼られた配置図、フルカラーで視覚に訴えるこれを見れば見学者でも元に戻せます |
- 参加者から寄せられた感想
- 安全と効率が5Sを必要とするストーリーとその具現化が素晴らしい。ANA ファシリティーツアーガイドさん の最後の説明、「安全の為に、ANA 整備チームは、キャリア、年齢、性別に一切関係なく、ディスカッション をする。」が大変印象的でした。また、ピトー管の原理や働きにまで及ぶ知識の範囲と深さは猛勉強の成果、あ りがとうございました。
- A 氏の感想
-
全体観 見学会の場を提供し、ANA の経営理念を発信し、CSR(信頼される企業)の向上に力を入れていることが、よく伝わりました。 明解な経営理念 航空機の運航は顧客の命を預かるビジネスであり、顧客信頼が何よりも優先するという価値観が全社的に共有されていると感じました。 社員の誇り 点検から離陸までに各部署の綿密な連携が繋がって、安全、快適なサービスが実現されていることをアピールされていました、このコンセプトが内部的には、それぞれの部門の努力が評価されており、部門従業員の誇りを生み出していると感じました。これが強いANA企業文化の源泉と思います。 これを証明する ファシリティーツアーガイドさんの、見学者の満足を最優先する姿勢、全ての質問に答える姿勢、そのための学習と豊富な知識。ANAに誇りを持ち、自分の仕事に誇りを持ったプレゼンテーションに感動しました。 見学を生かすこと これらのエッセンスを社内教育に取り入れようと考えます。また、経営理念の外部的アッピールが、内部的士気の向上に繋がるとの確信を持ちました。これが弊社の経営理念・提案制度の刷新する機会となり、H28 年12 月、この目的を達成しました。 - B 氏の感想
- 従業員全体のレベルが高く、見学者にも挨拶をされ、乱れた服装の方や無駄話をしている人は皆無であり使用 した部屋の電気も消すなどの省エネのスキルも高く、整理整頓が完璧に行われている事を確認致しました。P Rビデオでの工具の管理が、実際の現場で実行されており、全ての工具に名前が書いてあり、一人ひとりの整 備員の責任を実感しました。ヘルメットの色による、入社年次に於ける施策も素晴らしいアイデアであり、今 世間で騒がれている、団塊の世代の大量退職に伴う若い世代への、技術の継承問題は、年次を超えて問題に対 する自由な発言の促進と、次世代の整備員になる為の新人を育てる施策と合わせて機能しており、この会社が 整備した飛行機であれば安心と感じさせていただきました。来年は同じ業種である、もう1 社の見学を行い比 較できれば大変良い教材になると思います。 出席された環境委員会の全員のスキルも高く、質問の内容も5 S、環境、省エネ、生物多様性と多岐にわたり説明員も、的確な質問に喜んでいるように感じられ、より深い技術コアを説明される場合も多く、大変参考 になりました。今後も継続して頂けます様に熱望いたします。
- C 氏の感想
- 5S の観点から、色や写真などを活用して管理されおり参考になりました。工場には見学者が来るという事で、 整備士さん自ら床を滑走路に見立てての塗装や、壁に写真を貼っているのは良かったと思います。やらされ てるのではなく「自分たちでやった」という事できれいにしようという気持ちも高まると思うし、そういっ たお客様を「もてなす気持ち」が何より嬉しく感じました。また、さすがCA さんだけあって、おもてなし の技術・心は全ての方がプロフェッショナルであったと思います。事前のプロジェクターを用いた案内もは っきりとした話し方で聞きやすく、また工場内でのガイド役の方は質問にも的確に対応して下さいました。 以前にJAL のビジネスマナーの講習を受けたことを思い出しました。5S だけでなくお客様と対応するため のマナーや技術も参考になりました。
- D氏の感想
- 何年か前に公開された、映画「ハッピーフライト」の神髄 航空機を題材とした、おもてなしと、5S の基本、 人を預かる輸送事業者にとって、「安全」「安心」「真心」「おもてなし」がとても感じられました。5S の基 本である「形跡整頓」が全てにおいて徹底され、整備方法の基本である組外し、組み上げ基礎がきちんとな され、余剰在庫が一切なく、限られたスペースを最大限有効に使う整備場でした。また、整備場内にゴミ埃 なし、油や化学薬品の臭気なし、整備場と言うよりもディスプレイ場と思える程の清潔さに驚きました。 5S が普通に行われているので、ファシリティーツアーガイドさんも当たり前すぎてフォーカスポイントに しない、これは相当なレベルと考えます。ANA の誠意と熱意が形となっている整備場を勉強させていただき、 本当にありがとうございました。またの機会を楽しみにしております。
- E氏の感想
- ANA 機体工場チームが安全を支えている事、これを視覚と聴覚から学ぶ機会となり、大変感謝しております。 視覚から入る情報に呼応するツアーガイドさんからの聴覚情報、この情報シャワーから貴チームのメッセー ジを受け取りました。整備への集中、人間はミスをするものだ、これがコンセプトのベースと想像します。 そこからのアイデアの具現化、シンプルな運用にたどり着くまでの道のり、それをスマートに標準化する教 育、その全てが安全の為、大変勉強させて頂きました。 また、神奈川県内陸工業団地協同組合 環境委員会チームについては、国立国会図書館所蔵の弊組合創立 50周年組合史(書誌ID 027793075)を閲覧して頂けると幸いです。
- ANA 機体工場見学チームからの環境委員会へメッセージ
- ANA 機体工場見学にご連絡頂き有難うございます。また、ご丁寧に報告書をお送り頂きありがとうござい ます。とても励みになるお褒めのお言葉を頂戴し、大変恐縮でございます。今後とも、皆さまに楽しんでい ただける見学会をモットーに、努力してまいる所存でございますので、またご来館いただけたら幸いです。
- 補足
- 以上の映像、文章はANA機体工場見学チームの点検と使用許可を受けております。また、全て匿名とさせ て頂いた事を了承願います。